ぼくにとって仕事とは何か?

TwitterのTLで仕事が話題に上っている感じがするので、少し考えてみた。


入社したのが、2002年だから、今で7年目。入社以来、ずっと半導体のEDA(半導体設計用ソフト)部門にいる。
ここは名前はかっこ良く、いかにもソフトを開発しているイメージがあるが、実際は、社外(US)のソフトベンダが作っているソフトを借りて評価をしたり、買ったソフトを社内の人が迷わずに使えるように、周りのライブラリを整備したり、マニュアルを書いたりする仕事だ。


正直言って、他人の作ったものを評価するだけなので、最初は死ぬほどつまらなかった。実際、3年目には定番通りに転職セミナーに行ったり、エージェントにメールを出したりしていた。けど、なんやかんや言って、社内にいる。何でだろう? もちろん、転職してやっていけるだけの能力がなかった、と言うのが一番の理由だが、それ以外にもあった気がする。ちょうど、その頃から仕事が楽しくなりはじめたのだ。


思えば、その頃にPerlに深く出会った。ぼくはプログラミングが大の苦手で、大学の時もプログラミングから逃げまくっていた。そのため、今でもC言語には苦手意識が残っている。


なぜPerlだったかというと、ぼくが担当していたソフトのAPIPerlだったからだ。しかし、このPerlとの出会いがその後を変えてくれた。Perl(今は、色んなところでdisられているけど)はぼくにとって、見た目は悪いけど、何でも世話を焼いてくれるお姉さんのような存在。この頃からプログラミングが少し楽しく思えてきた。


そして、プログラムの世界を知れば知るほど、自分は井の中の蛙だったんだ、とはっきり知るようになった。そう、その瞬間にぼくの周りには知らない世界が広がっていたのだ。知らない世界を歩くのは楽しい。なにせ、全て新鮮なわけだから。


その頃は、毎日に新しい発見があった。すごく小さいことから、結構大きなことまで。
そして、新しい出会いもあった(仕事上だけど)。面白い人たちと知り合えて、しかも、ほとんど雑談のようなところから始まったプロジェクトもあった。


結局、ぼくにとって、仕事とは『知らない世界を知ること』なのだ。直接製品に携わっている人は、製品を売らないといけないので、本当にシビアな世界で生きているんだと思う。でも、ぼくは間接業務であるため、ある程度裁量が利く。裁量が利くからこそ、自分のモチベーションをはっきりさせておく必要がある。


そう、ぼくにとっては『知ること』== 『仕事』だったのだ。こんな贅沢なことはない。なんたって、アハ体験を毎日味わいながら、お金をもらうことができるような仕事をやっている人はそんなにいないだろう。


ぼくはたまたま境遇がよかった、とも言える。でも、別の見方をすると、最初仕事だったものが趣味に変化していったのだ。その結果、上記のような結論に達していった。


Perlがスタート地点であり、Perlの奥ゆかしい世界をもっと知りたいと思って、言語の世界に浸かっていった。今でも、プログラムを書くこと自体はそんなに好きじゃないけど、言語の世界を知るのは好きだ。まだまだ入り口に立ったばかりだけど、もっと奥まで入って行きたい、と思っている。


そのために、ぼくは仕事をしているのだ。もっと色んなことを知るために。