半導体屋として生きていく決意

ルネサス:1500人が早期退職 想定上回る

このニュースを見て感じたことを率直に書く。ずっと半導体屋として、それもエンジニアとして生きて行くことは、今の日本の大手半導体メーカーでは難しい。

この1500人と言う数字。対象が40代以上にしては非常に多い。40代のうちの何%かと言う数字は出ていないが、かなり高いのではないかと思う。おそらく専門職、もしくはそこまで昇格されなかった人が多数を占めるのではないか。

専門職と言う言葉、名前はかっこいい。しかし、実体はどうか? 実際には部下を与えられなかったり、対外的な活動しかさせてもらえなかったりと、かなり活動が限定されている。ましてや、エンジニアとして実務につくことは難しい。そこまで昇格しなくても、40代を過ぎて、実務をやっていると、風当たりが非常に強くなる。

今まで会社に9年間いるわけだが、半導体屋&&エンジニアとして生きて行くためのハードルは非常に高い。日本で有数のエンジニアにまで登り詰めないと、一生エンジニアとして生きて行くのは難しい。このような波が起きたときに、簡単に会社から捨てられる。「あなたなら、どこでも活躍できますよ」という一言とともに。

もしくは、エンジニアを捨てて、管理職に回るかだ。Excelと予算、リソース管理と言う憂鬱な仕事が待っている。また、管理職も相当上まで上り詰めないと、いずれ関連会社に出向という形で左遷させられる。

これが現実なのだ。

40を過ぎて、再就職できるだろうか。また、半導体を捨てて生きて行くことができるだろうか? 私にはできない、そしてしたくない。もちろん柔軟性は必要だが、それでも半導体に一生関わって仕事をしたい、と言う思いで半導体業界に入った。

しかし、今の状況を見ていると、日本有数のエンジニアになる以外、半導体メーカーで生きて行くのは難しい。いや、これからファブライト、ファブレスに向かっていくであろう日本メーカーで社内EDA職などおそらくなくなるし、なくなっていくべきだ。

今、仕事があるからと言って、このまま仕事を続けていたら、10年後には突然仕事がなくなることが十分に考えられる。そうなったときにどうする? 40過ぎてから、ハードウェアの設計の勉強する? 若い後輩に教えてもらいながら仕事する? それでもいいかもしれない。つまらないプライドなんて捨てるべきだろう。いずれにしても、どこでも生きていける力を身につけておかないと、家族3人を養うことなんてできない。

ボクは決意した。一生、半導体屋として生きて行くために、そして、妻と二人の子どもと暮らしてくために、必要なことを今やる。