高度知識成長期(空気を読むな、本を読め)

と言うことで、言わずと知れたアルファブロガー Dan Kogaiの本。

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51307937.html

内容は、普段からDanさんのBlogを読んでいる人であれば目新しいところはほとんどない。逆に、Blogなんかを巡回しはじめて思ったことだけど、アルファ○○さんと呼ばれる人たちの本やBlogを読んでても、思考プロセスとか考え方に決定的な違いってないような気がする。もちろん、超えられない壁は存在していたのだが。

そんなことを一番感じたのは、ホリエモンxひろゆきの本を読んだとき。

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」

この本を読んで最初に思ったのが、『異次元世界の人たちだと思ってたけど、そうでもないかも』と言ったものだった。

Danさんの本を読んでも、やはりそう思った。本自体は、1時間ぐらいあれば、遅読の僕でも読めたぐらいなので、正直、本屋で立ち読みで済ませれば良かったなぁ。。。と思ってしまった。『あとがき』を読むまでは。

そう、この本のクライマックスは本編ではなく『あとがき』にある。

『あなたは何をしている人ですか?』

とDanさんは問う。そして、

『人間をしています。』

と答えるべきだ、と言う。その心は、

『そのくらいで世の中は回るのです。』
『モノは十分に足りています。明らかに生産過剰です。』

そうなのだ。生産過剰なのだ。今の日本の工業システムを考えると、未だに戦後復興のペースを維持しているように思える。無理な残業を強いたりするのもその現れだろう。その一方で、人が倒れたとしても、実は何とか仕事が回ってしまう。結局、殆どの人が(ぼくもその一人)直接生産に結びつかない余計な仕事(残業)をしているのだ。

だったら、生産活動を一時ストップ、もしくはレベルを下げてもいいんじゃないか? 2008年度半導体産業は危機的状況に陥って、工場の稼働率が半減するところまでいった。このとき、現場の人たちはワークシェアリングをして、個人の労働時間(と給料)を下げて、雇用を守った。でも、実はそのレベルで十分なんじゃないか?むしろ、じゃんじゃんモノを作っている状態の方が変なんじゃないか?

一度、立ち止まる必要がある。もちろん、必要な残業はある。でも、大半は必要じゃない残業をしている。
2009年現在は、高度経済成長期ではない。むしろ、高度知識成長期ではないか。大容量のインターネットに接続することが非常に容易であり、Blog, Twitterなど知識は感動を共感する方法はいくらでもある。
一度、立ち止まって、モノの成長率を止めて、知識の成長率を高める活動をしてはどうだろうか? 

と、Danさんが言っているように感じた。

Danさんは本の中で『まず、目次を読め』と言っているが、目次には『あとがき』の内容までは書いてくれていない。『目次を読め』と言う著者なのに、目次に現れない『あとがき』にクライマックスを置くのはずるいよ!!と思ってしまった。

とにかく、『あとがき』を読むだけでも、この本を買う価値はある!!