『渋滞』の先頭は何をしているか?

すごく久しぶりに新書を読みました。

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

前々からこの人の本は読んでみたい、と思ってたんだけど、ある程度、渋滞の知識を持ってて、それを実践しているつもりだったので、わざわざ読む必要もないかなぁ、と。でも、読んでみて正解。単純に面白かったし、知らないことも多かった。

以下、メモ代わりのリスト。

渋滞はメタステーブルの状態から、些細なきっかけで発生する。

これ自体は知ってたけど、臨界点を突破してもメタステーブルを維持し続けている、と言うのは知らなかった。高速を走っているとき(特に、阪神高速を走っている時は、こんな状態を良く体感する)、車間距離が異常に詰まっているにも関わらず、車が流れ続けてる状態。この時に、誰かが車線変更したり、ICがあったりすると、途端に破綻する。

通勤電車のダンゴ渋滞を緩和するためには、列車種類を減らして画一化する。

確かに。朝の中央線を見てても、7時台はほぼ快速オンリーになってしまう。単純に列車密度が濃いから、速達列車を走らせにくいのかなぁ、と思っていたのだけど、どうやらそうではなくって、駅での飽和状態を緩和するためと、列車のスムーズな運行を促すためのものらしい。納得はするけど、JR東日本には停車駅などを減らすことを検討して欲しいなぁ。

自然渋滞は利他主義で解消する。

これも確かに。高速道路を走っていると、本当に自己主義の人が多い。ていうか、カーゲームと間違えているのでは、と言うようなウィンカーを出さずに車線変更しまくるやつがいる。自分は、それで早く行けたとしても、まじめに走っている人たちが巻き添えを食ってしまう。そして、そのせいで発生した渋滞による経済損失と環境汚染で結局は自分に還って行くのだが、そういう人がそんなこと考えないんだろうなぁ。

結局、自然渋滞を回避するためには、集団生活の常識をどれだけ身につけているか、というもののような気がする。例えば、エスカレータの右側で立ち止まる人とか。それによって、後ろがつっかえて、全員がホームから退避できないまま、次の電車がやってくる。。。というような想像ができないんだろなぁ。

このような集団の中で発生することって、自己の利益と集団の利益が矛盾しているため、なかなか気づかない人が多い。納得いかないのは、渋滞の引き金になる人は、自分は渋滞に遭わなくて済むんだよね〜。。。